季節の移ろいを感じる色たち
エクリュ色彩検定講師の室谷です。 12月も中旬となりました。
紅葉は見頃を過ぎたようですが、今も、一枚、一枚の葉から、美しい色や配色が見られます
蔦の葉の赤色が柔らかく、なんとも素敵だったので、混色で色出しをしました
この柔らかい赤色を出すには
マゼンタ、黄色にグレーを混ぜるのがポイント。
PCCSでは、ソフトトーン(sf)や、ダルトーン(d)にあたります。
中間色あるいは濁色と呼ばれるトーンで、GLAYが混ざっているためくすんだ色のグループですね。
これらの色を使うと、穏やかな印象の「トーナル 配色」が作れます。
*成美堂出版 エクリュ代表西川礼子著
「色彩検定テキスト&問題集」3級より抜粋
晩秋や初冬の時期、陽が傾き、日差しが弱まっても、美しく見える「旬の色」ですが、冬至、節分を過ぎ、日の光が強まってくると、なんとなく重たく感じるようになります。
ちなみに、色彩検定3級のテキストにある慣用色「紅梅色」は、平安時代では、冬から春にかけて好まれた色。
清少納言は、枕草子で春の盛りになると見飽きてしまうくどい色として「すさまじき」と述べています。
源氏物語では、赤系色の一つであるこの色は、愛の告白の色とされています。平安時代のかさねの色目に使われます。
*成美堂出版 エクリュ代表西川礼子著
「色彩検定テキスト&問題集」3級より抜粋
こちらは、我が家のドイツの錫細工。オーストリアやドイツの冬の風物詩「焼き栗売り」の屋台をモチーフにしたもの。
私には旅先での思い入れの強いモチーフで、長く飾っていたいのですが、立春を過ぎると、しっくりこなくなるので、冷たい北風が吹いたら、すぐに飾り、早めにしまうことにしています。
来週は一段と寒くなるとのこと。空気が乾燥してくると、華やかなクリスマスや新年の配色が一段と美しく感じられます。
コロナ禍で、緊張感のある年の瀬ではありますが、どうぞお体に気を付けてお過ごしください。