つい手に取りたくなる色の心理
こんにちは エクリュ色彩検定講師の室谷です。いよいよクリスマス、大晦日と早いものであっという間に年の瀬ですね。
さて皆様、今年の「つい手に取りたくなる色」ってはどんな色だったでしょうか?
「つい手に取りたくなる色」というのは、季節柄ということももちろんありますが、その人の心理状態を表す色でもあります。
私は刺繡が趣味で、一年を通してするのですが、季節の移り変わりによって「美しい」と感じる色の違いを楽しんだり、自分が手にとってみたくなる刺繍糸の色を客観視したりしています。
今年の後半「やはりコロナの影響かも?」と思ったのがこちら。
手芸専門店のホビーラホビーレから、今年の秋に発売されたクリスマスのモチーフの刺繍キット。
これを思わず手に取りました。
画像の刺繍は制作途中のものですが、
赤い車がメインの図柄となっています。
私は、赤の刺繍糸を手に取りたくなるのは、例年なら、年明けの大寒の頃です。ですので、秋頃に「赤色の刺繍をしてみよう」と思ったことが、我ながら「今年は珍しいな〜」と思いました。
今年はコロナ感染拡大により、世界がひっくり返るくらいの大きな変化の時でした。
赤は生きる力、戦う力を補給してくれる色です。
赤からエネルギーを感じて、つい手にとっていたということだと思います。
赤の連想からくるイメージは色々ありますが、色彩検定の見地から少し振り返ってみましょう。
3級の重要語句「コーポレートカラー」
赤・・・活動的なイメージ
青・・・誠実なイメージ
緑・・・優しいイメージ
でしたね。赤は企業のイメージカラーとしてもよく使われます。
話は転じて、今年はコロナ封じの妖怪として「アマビエ」が流行りましたが、江戸時代、日本人には伝染病の予防の為に住居に”赤いもの”を飾る風習があったようです。赤に疫病を跳ねつけられるパワーを感じていたのかも。
私が第三波の警戒が高まるなか、赤い刺繍糸を手にしていたのと、これもどこか通じるような気もします。
今年を振り返ると、この経験したことのない事態を乗り切っていくために、私にとっては色のパワーを必要としていた感じがしますが、皆様はいかがだったでしょうか?
来たる年には、癒しの色を含め、様々な色の色彩心理についてもご紹介していけたらなと思っています。
最前線で治療にあたられる医療従事者の方に感謝を込めて。
エクリュ 色彩検定講師 室谷眞紀子